遠藤産業は僕の父が立ち上げた会社です。小学校の頃から、塔婆を配達する父の車に乗り込み、父の仕事ぶりを眺めていた記憶があります。
大学生になって自動車の免許を取得した僕は、休日になるとドライブがてら、会社の配達を手伝ったものです。
そして僕は大学卒業後に、機械制御盤の設計会社に入社しました。
塔婆とは全く無縁の世界です。
なぜでしょうか?
木の屑や汗まみれになって働く事に抵抗があったからです。
設計の仕事は正直楽しかったです。
しかし毎日毎日、朝から晩までCADと睨めっこ。
自分から望んで入った世界なのに、なぜか心は満たされませんでした。
何かが足りない。
ある日、設計の不具合の手直しの為に、社内の製造部を訪れました。
現場の人たちと一緒になって、不具合箇所を修正。その時に物作りの楽しさを知りました。
それから数日後、仕事が休みだった僕は塔婆の配達を手伝いました。
お寺さんに塔婆を配達した際に、お寺の奥さんが言いました。
『遠くから配達してくれて有難う!』
その時、とても清々しいというか、嬉しいというか、何とも言えない気分になりました。
実際に自分で何かを作りたい!尚且つ、お客さんと直に接したい!
そう思った僕は、勤めていた会社を辞め、親の仕事を継ぐ事を決心しました。
塔婆に関して、エンドユーザーは誰か?
これはお寺の御住職様であり
同時に檀家さんを始めとした、掌を合わせて御供養される方々の事です。
塔婆は書きやすさが命であります。
筆の走りが良く、書き心地の良い塔婆を僕達が造り
御住職様方に気持ちよく書いて頂く。
気持ちの込められた塔婆は、字が活き活きとするものです。
しっかりと魂が入れられた塔婆が、御供養なさる方々の手に渡ります。
お寺さんは勿論ですが、真のエンドユーザーを意識した製品造りを心掛けます。
書き心地の良い塔婆を作る事は僕の永遠のテーマです。
これだけは、どんな状況になっても絶対に貫き通していきたい。
そして僕には夢がある。
今、多くの寺院が檀家さんの寺離れに悩んでいます。
このホームページを通して、様々な取組みを頑張ってらっしゃる寺院を紹介して、檀家さんを始め、世間一般の人達にお寺をもっと知ってもらう事。
そして、お寺の活性化に繋がるように、お寺さん同士の情報交換の場として使ってもらう事。
そして、お寺と檀家さんが、より親密になって、お寺が地域のコミュニティースポットに変われるようにする事。
それが僕の夢です。